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資金調達手段としての社債・株式発行にはそれぞれメリットと注意点があります。

企業の資金調達法として代表的な株式発行と社債発行ですが、大きな違いは「投資家が経営方針に関与できるかどうか」です。それぞれのメリットとデメリットをしっかり理解した上で、適切な方法を選択しましょう。

企業の資金調達法

株式・社債発行とは
企業の資金調達法としては、株式や社債の発行がもっとも王道でありおすすめです。
なお、金融機関などからの融資を間接金融と呼び、株式や社債の発行は直接金融と呼びます。

 

株式や社債の発行

どちらも投資家からの出資を募り、資金を集めるという点では共通しているものの、その本質には大きな違いがあります。
まずはそこを理解するところから始めましょう。

 

株式や社債以外の資金調達手段として銀行や消費者金融から融資を受けるという方法もあります。ハードルが高いものもありますが、審査に通過すれば低金利で多額の融資を受けることが可能です。
いざという時のために知っておいて損は無いでしょう。

 

株式とは

株式とは、簡単に言うと「会社の持分」を表しており、例えば100株を発行している会社でその内の10株を保有していた場合、同会社の1/10の持分を有していることになります。
つまり、企業の製品や将来を魅力的だと投資家が感じたら、その分「この会社の株(持分)を保有しておきたい!」という流れが生まれるのです。
投資家が出資してもらうことで得た資金は、そのまま自己資本となります。
後に説明する社債のように「負債」にはならず、得た資金は返済する必要がないため、企業の財務体質を一気に強化することができるのが魅力の一つ。

 

企業は、株式発行によって資金を得、それを利用して利益を伸ばした場合には投資家へ「配当」として分配しなければなりません。配当の割合や内容も、投資家が出資をするか否かの大事な判断材料となります。
また、株式を保有する投資家には、株主総会での議決権が与えられます。つまり、少なからず会社の経営に口出しをできる権利を得ることとなるのです。保有する株式の割合に応じてその権利も大きくなり、過半数を超えれば経営権を得るまでに至ります。
株式発行によって資金調達をする際には、この保有割合に気を配らなければ、いつのまにか会社を乗っ取られてしまうことすらありえるのです。

 

社債とは

社債とは、企業が投資家からお金を借りるために発行する債券です。社債と引き換えに投資家は企業に対してお金を貸し出し、企業は決められた償還日に利息と元本を返済していきます。この償還日も、社債発行をする企業側の裁量で決められるため、銀行からの融資などに比べて期間に余裕を持てます。
株式投資のように企業の経営権に影響を与えるものではなく、資金の使い道についてもある程度自由、株主に対して気を遣う必要がありません。
社債はシンプルな借用証書としての性質を持ちながらも、他者に売却することが可能であり、有価証券の一種と見ることができます。

 

投資家にとってのメリット・デメリット

投資家再度のメリットとデメリット
社債への投資は株式投資と比べて、投資家にとって以下のメリットがあります。

 

  • 決まった時期に投資した元本が返ってくる。
  • 利率が預金などに比べれば高い

 

あらかじめ決められた時期に、投資した分の元本に利息が乗った状態で返ってくることがわかっているため、堅実な投資として選ばれやすいです。利率も通常の預金に比べたら圧倒的に高いので、余剰資金の投資先として選ばれています。
逆にデメリットとしては、企業が倒産した場合に元本が返ってこないリスクがある、という点でしょう。企業の経営状態をよく見ずに、なんでもかんでも社債を購入しておけば堅い、とは到底言うことはできません。あくまでも健全な経営状態である企業に対してのみ、行うべき投資です。